WHAT’S UP

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お知らせ

改正再エネ特措法の施行を明日(2022年4月1日)に控えて、FIT制度と併用する形で始まるFIP制度について、オーナーさまより「よくわからない」という声をいただくのでできるだけわかりやすく解説したいと思います。

確かに、FIP制度はFIT(固定価格買取制度)に比べて非常に複雑でなかなか理解するのが大変です。すでにFIT制度で運用している太陽光発電事業者のみなさまにとって、これからの資産形成を考える際にも知っておくことで新たな運用活用の可能性が出てくるかもしれないので、ご一読ください。

FIP制度の基本的な考え方とは

まずは政府機関の資源エネルギー庁の資料から見てみましょう。

FITとFIPの比較(出所:資源エネルギー庁)

FIT制度からFIP制度への移行をイメージした図解が上にあげたものですが、ご理解できますでしょうか。

まず、売電収入の基となる価格がFIT制度と違って変動するんだな、ということはわかると思います。
最終的には政府は、再エネを火力発電などの他電源と同様に、電力市場で取り引きできるように(=自立化)するために段階的に市場価格と連動できるようにするためのワンステップとしてFIP制度を導入するということになっています。つまり、あくまでもステップですので数年後にはFIP制度も改正されていくものと考えられます。
実際の事業者さまからは「図解を見ても、いったい何から理解すればいいのか」という声を多くいただきますが、FIP制度がなかなかわかりにくい〜というのは「売電価格がどう決まるのか」が複雑な点にあるのではないかと思われます。

売電価格がどう決まるかがわかれば、FIP制度の基本は大丈夫!

まず図のFIP制度の方だけをクローズアップして見てみましょう。

FIP制度の売電価格は①〜②〜③〜④という順番で決まります!

20年間、買取単価が固定されているFIT制度はわかりやすいと思いますが、FIP制度ではFIPの認定を受けたプロジェクトごとに、まず①のFIP価格をあらかじめ定めます。FIP価格は、FIT価格と同様に1年ごとに定めます。資源エネルギー庁の「調達価格等算定委員会」が金額を決めるケースと入札で決めるケースがあります。電源の種類と発電設備の規模に応じて、入札対象かどうかが決まるという点もFITと同様です。

 その後、実際の②「市場価格」の推移を踏まえ、事後的に「参照価格」(=市場価格の平均とお考えください)が決まります。
注:「参照価格」はこの図には示されておらず、細かく複雑な調整を加えて算定するものです。

 「参照価格」決まったら、ようやく③「プレミアム」の単価が決まります。すなわち、あらかじめ決められた①「FIP価格」と「参照価格」の一定期間ごとの差額が、「プレミアム」の単価(円/kWh)です。

 ④「補助後の収入」を示す緑色の線は②「市場価格」に③「プレミアム単価」を足した金額の推移です。プレミアム単価は一定期間ごとに事後的に決まりますので、緑色の線は後から振り返って見た場合のイメージであって、リアルタイムで「補助後の収入」の価格を知ることはできません

 ④「補助後の収入」の平均価格が①「FIP価格」に相当しますが、売電価格が決まる時系列としては、①「FIP価格」が先に決まり④「補助後の収入」の平均価格がFIP価格と同じになるよう「参照価格」が決まるという流れです。

 実際にFIP制度を利用する発電事業者は、自ら市場取引で売電収入を確保しつつ、FIP制度を通じたプレミアムを電力広域的運営推進機関から受領することになります。

以上のような流れでFIP制度の売電価格は決まるのですが、FIPという仕組みの基本的な考え方とは、発電事業者はトータルで④「補助後の収入」で示される単価で売電した収入を得られることになり、それはつまり①「FIP価格」で売電したのと同等の収入になるというものです。
すでに欧州では取り入れられている制度で、ドイツなどの再エネ先進国でのモデルなどをベースに作られた仕組みです。

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