2021年になって続々と各地の自治体が「ゼロカーボンシティ」を表明しています。
「ゼロカーボンシティ」とは2050年二酸化炭素実質排出量ゼロに取り組むことを表明した自治体のことを呼びますが、環境省が公式に発表した2021年2月26日の時点では、「ゼロカーボンシティ」を表明したのは289自治体(33都道府県、174市、3特別区、61町、18村)とのこと。この時点で表明した自治体を合計すると人口約1億138万人、GDP約450兆円規模になることがニュースとなりました。実に日本の総人口のうち、79.8%の方がCO2実質排出ゼロに取り組む地域に暮らしている、ということになりますが、現在はどのくらいになっているのか想像できますか?
この発表から3ヶ月程度(2021年6月14日現在)で「ゼロカーボンシティ」を表明した自治体の数は408自治体(40都道府県、243市、7特別区、98町、20村)、人口にして約1億1,051万人にまで達しました。(環境省ホームページよりhttps://www.env.go.jp/policy/zerocarbon.html )
総務省で公表されている自治体の数は都道府県が47で市町村が1,718(市 792 町 743 村 183)ですので、自治体数から言うと、約23%になります。ちなみに人口数は1億2,557万人ですので88%となります。
環境省では、2050年までにCO2などの温室効果ガスの排出量を「実質ゼロ」にすることを目指すことを表明した自治体を「ゼロカーボンシティ」と位置づけ、全国の自治体に参画を呼びかけていますが、
すでに、2021年2月には脱炭素社会の実現に向けた政策研究や国に提言を行うことを目的に、全国の130市区町村の「ゼロカーボンシティ」が集まり、「ゼロカーボン市区町村協議会」(会長:林文子横浜市長)を設立しています。脱炭素社会の実現に向けた具体的な取り組みのための議論、会員自治体の意見の集約などを実施し、2021年3月29日に小泉環境大臣へ提言を行いました。
提言の内容をまとめますと以下になります。
重要提言項目
- 財政支援の規模拡大と柔軟化
- 情報の整備・発信及び人材派遣の支援強化
- 縦割りを廃した国・地方の連携強化
- 意欲的な2030年温室効果ガス削減目標の設定
- 自治体の取組を加速化させる新たな再生可能エネルギー目標の設定と、脱炭素を見据えたエネルギー政策の推進
- 脱炭素化への機運醸成に向けた国民運動の推進
- 脱炭素社会の実現に向けたデジタル化の推進
分野別提言項目
- 地域のエネルギーや資源の地産地消
- 住まい
- まちづくり・地域交通
- 公共施設をはじめとする建築物・設備
- 生活衛生インフラ
- 農村漁村・里山里海
- 働き方、社会参加
- 地域の脱炭素を支える各分野共通の基盤・仕組み
です。詳しくお知りになりたいかたはこちらから。
ゼロカーボン市区町村協議会(国への提言)(外部サイトにリンクします)