2022年4月1日いよいよ
改正再エネ特措法が施行されます!

2022年4月1日いよいよ改正再エネ特措法が施行されます!

再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)が2022年4月から、大きく変わります。
正式には「エネルギー供給強靭化法(再エネ特措法改正)」の導入となります。
そこで、この法律の施行によって従来の買取制度の内容がどう変わるのか、ここではとくに太陽光発電の認定や制度の中身について詳しく見ていきます。

そもそもFIT法とは?

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FITは「固定価格買取制度:Feed In Tariff」の頭文字をとったもので、FIT法は2012年7月にこのFIT(固定価格買取制度)が定められた「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(以下、再エネ特措法)」を指しています。

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2022年4月1日より施行される
再エネ特措法改正のポイントは4項目

  1. FIP制度の導入(概要はこちら
  2. 太陽光発電に係る廃棄費用積立制度のスタート(概要はこちら
  3. 認定失効制度の導入
  4. 経済的出力制御のスタート(概要はこちら

このうち、影響を受ける事業者にとって大きなインパクトを与えることが考えられる「認定失効制度」について詳しく解説いたします。この「認定失効制度」は、文字通り『FIT認定案件を失効する制度』で、2022年4月1日から施行されます。運転開始期限を過ぎても、運転開始に向けた一定の進捗がない場合、認定を失効するというものです。太陽光発電のうち、

  • 認定は取得しているが運転開始していない
  • 10kW以上

の事業者さまが関係します。
主に10~50kWの太陽光発電事業者さま向けに、失効の条件やタイミングなどをくわしく紹介していきます。

※10kW未満の太陽光発電は、すでに1年の運転開始期限を超過すれば失効する措置がとられていますので、今回の制度は当てはまりません。
※⼤規模な案件の場合、環境アセスメントが必要となるなど運転開始に時間がかかるため、例外措置があります。本内容は低圧太陽光発電向けの情報とし、例外措置のご説明は割愛します。

未稼働案件をめぐるこれまでの経緯

長期間運転を開始していないFIT認定案件=未稼働案件が存在することで、系統容量を圧迫するなどの問題があります。
5年以上前から未稼働案件については問題視されており、法改正なども含めてさまざまな措置がとられてきました。この新たな失効制度をより理解するために、過去に実施された「2016年措置」、「2018年措置」について簡単にご紹介します。

  • 2016年措置
    2016年、再エネ未稼働案件全般を整備するための「計画認定制度」が導入されました。
    この制度は、「原則2017年3月末までに接続契約が締結できていない案件は設備認定を失効する」というものです。これにより2016年8月以降に接続契約を締結した案件には、「認定から3年以内に運転開始しなければ認定失効」という制度が課され、期限超過分は調達期間(20年間)が短縮されることになりました。
  • 2018年措置
    2018年には、太陽光発電所のみを対象とした新たな措置が取られました。
    その内容は、2012~2016年の案件のうち一定期限までに運転開始準備を進めなかった場合、運転準備段階に至った時点の適正な価格に固定買取価格を変更するというものです。
    この措置に合わせて、運転開始期限の設定されていない案件にも運転開始期限が設定されました。

2016年措置、2018年措置を経て、なお残る未稼働案件に対し、失効制度が設けられたという経緯です。

今回新たに施行される認定失効条件

  • 運転開始期限が2022年4月1日以降の案件
    この場合、系統連系工事着工申込書を提出していなければ、運転開始期限から1年後に認定を失効します。
    なお、申込みを行った案件には、運転開始期限に猶予期間として運転開始期間(太陽光発電の場合は3年)を加え、運転開始に至らなければ失効となります。
  • 2022年4月1日以前に運転開始期限を迎える案件
    この場合、2023年3月31日までに系統連系工事着工申込書が受領されなければ、その時点で失効となります。
    また、2023年3月31日までに申込書が受領された場合でも、2025年3月31日までに稼働が実施されなければ失効となります。

なかなかわかりにくいと思われるので例をあげて説明します。

具体例

  • 2022年4月1日に運転開始期限を過ぎている場合、2019年3月31日までの認定が対象となりますが、この場合は経過措置があります。
    運転開始期限からではなく、改正法の施行日から1年後の状況で判断されます。
    例えば2019年1月10日に認定を受けた場合の運転開始期限は3年後の2022年1月9日になります。
  • 改正法が施行される2022年4月1日までに運転開始していなかった場合、改正法施行日から1年後の2023年3月31日までに着工申込も行わなければその時点で失効になります。
  • 2023年3月31日までに着工申込を行って、2025年3月31日まで猶予期間が設けられ、その時までに運転を開始すれば失効とはなりませんが、運転開始しなければ失効となります。

要するに、この1年の間にどう運転開始に向けて行動するかが大切となります。

4月に施行される失効制度のポイントを
簡潔にまとめると

  1. 太陽光の場合、認定から3年間の運転開始期限が設けられています。その間に運転開始すれば失効の心配はありません。
  2. 運転開始期限内に運開できない場合、期限から1年後の状況で失効かどうか判断されます。
  3. 運転開始期限から1年以内に運転を開始すれば失効とはなりません。(ただし、運転開始期限超過分は、売電期間が短縮することにご留意ください)
  4. 運転開始期限から1年以内に運転を開始できないが、「系統連系⼯事着⼯申込み」を行えば、運転開始期限の3年後まで失効猶予期間が設けられます。その間に運転開始すれば失効はされません。(ただし、運転開始期限超過分は、売電期間が短縮することにご留意ください)

『未稼働太陽光措置』の対象案件

未稼働太陽光措置の対象案件とは、2012~16年度に認定をうけ、かつ2016年7月31日までに接続契約を締結した案件のことです。
この対象となる案件の場合、未稼働措置用の着工申込書を提出しているかいないかで措置が変わります。 着工申込書を提出済かつ2022年4月1日以前に運転開始期限を迎える場合、2025年3月31日までに運転開始に至らなければ失効となります。
着工申込書が未提出の場合、2023年3月31日までに申込書が受領されなければ失効となります。
もし2023年3月31日までに受領された場合、受領日から1年後が運転開始期限となり、そこに3年加えた日までに運転開始に至らなければ失効となります。

今回の制度は運転開始に至っていないすべての認定案件が対象となります。

認定失効を避けるために

長期間未稼働状態が続いている案件について、「確実な事業実施が期待される案件」と「そうでない案件」を明確に分けるため、稼働実施が期待できるかどうかについては、一定の期限までに事業実施に向けた一定の進捗があったかどうかで判断されることになってます。

“稼働に向けた進捗”・・・少し難しいですよね。
できるだけわかりやすく言うと下記の3つのタイミングが確認できるかどうか、です。

  1. 系統連系⼯事の着⼯申し込みを行ったかどうか
    →発電所事業者が設備設置エリアの送配電事業者に対して⼯事の申し込みを⾏い、送配電事業者は⼯事費負担⾦(接続契約締結時に請求)を受領し、系統連系⼯事を開始するタイミング。
  2. 環境影響評価における準備書を、主務大臣である経済産業大臣に提出したかどうか
    →環境影響評価法に基づいて事業者が自ら実施した調査・予測・評価などを記した準備書を、主務大臣である経済産業大臣に提出。その後、経済産業大臣からの勧告等をもって環境影響評価の最終段階である評価書を作成し、確定後事業の実施に着手するタイミング。
  3. ⼯事計画届出を提出したかどうか
    →電気事業法の規定に基づき経済産業省に対して届出を提出した後、事業者は資金調達と設備発注を行い、本格的に開発⼯事が開始するタイミング。

これらのタイミングで進捗を確認した上で、再エネ発電設備の区分等ごとに認定から失効までの期間を設定します。

ご紹介したように、これまで未稼働案件に対するさまざまな措置がありましたが、今回の失効制度で、運転を開始しない状況が続けば失効するしくみが整えられました。
少しでも稼働が進むことと、稼働できない案件の系統容量の有効活用につながることを目指しての法整備と言えますが、“稼働へ向けての具体的な計画がまだ”といういわゆる権利案件に関しては、前向きな売却も検討を始める良い機会かもしれません。 資金的な問題やその他の事情で稼働へ向けてのアクションが起こしづらい、またはどうすれば失効を回避できるのか、などお尋ねになりたい方はどうぞお気軽にご連絡ください。

※①FIP制度の導入について

FIP(フィップ)とはFeed in Premium(フィード・イン・プレミアム)の略です。
FIP制度は卸電力取引市場や相対取引で再エネを市場に供給した際に、一定の補助(プレミアム)が交付される制度です。売電金額に補助額(プレミアム)をプラスした金額が収入となります。
FIP制度では、卸電力取引市場に参加して売電するか、小売電気事業者と相対取引で再エネ発電による電力を販売します。買取義務者はなく、発電事業者は売電先を探す必要があります。
売電した電力量に対してプレミアム単価をかけた金額がプレミアムとして交付されます。

※②太陽光発電に係る廃棄費用積立て制度のスタートについて

2022年7月から、改正再エネ特措法等の下で、太陽光発電設備の廃棄等に関する費用について、太陽光発電事業者に対して、原則、源泉徴収的な外部積立てを求める制度が始まります。

【対象】10kW以上の太陽光発電の認定案件
※複数太陽光発電設備設置事業(第一種・第二種複数太陽光発電設備設置事業を含む)及びRPS制度からFIT制度に移行した案件を含む。また、特例太陽光発電設備は除く。

【方式】原則、源泉徴収的な外部積立て
※原則として、毎月の買取費用から積立金相当額が差し引かれ、買取義務者を経由して推進機関に積み立てられる。
※長期安定発電の責任・能力を有し、かつ、資金確保が担保されている等、一定の条件を満たす案件では、例外的に内部積立てが許容される。内部積立てをするためには変更認定等を受ける必要があり、当該認定を受けた場合には、買取義務者に対して変更認定書を提出する必要がある。

【金額】調達価格又は基準価格の算定において想定されている廃棄等費用の水準(入札案件は最低落札価格を基準に調整)※具体的な金額は下記資源エネルギー庁ウェブサイトを御確認ください。

【時期】調達期間又は交付期間の終了前10年間
※2022年7月時点で調達期間又は交付期間の残期間が10年未満の場合は、当該残期間が積立期間となる。
※積立制度の対象となる事業について、2022年7月以降、積立時期が到来したものから順に積立てが開始される。

【取戻条件】廃棄処理が確実に見込まれる資料の提出等

※③経済的出力制御のスタートについて

経済的出力制御はオンライン代理制御とも呼ばれますが、オフライン事業者が行うべき出力制御を、オンライン事業者が代理で実施、代理制御の対価を受け取る、というものです。
出力制御に関する制度の変更のポイントは2つです。

1つ目は「オンライン代理制御」が導入されること、2つ目は10~500kW未満の太陽光発電設備が対象に加わることです。「オンライン代理制御」とは、出力制御のオンライン化を行っている事業者が、行っていない事業者の代わりに出力制御に対応することです。出力制御を代理で行ったオンライン事業者には、代理制御とみなされる発電量に通常の買取単価を乗じた「買取代金」が対価として支払われます。

逆に、オフライン事業者の売電収入からは、買取代金に相当する金額が控除されることで、オフライン事業者が出力制御を実施したとみなされます。
このように、出力制御を料金精算で代行するため「経済的出力制御」と呼ばれます。